美味しさを追求する ②
前回はいかに情報が酒の美味しさに影響を与えるかというお話をしました。しかし残念に思うのが、情報として『有名銘柄であるか、そうでないか』というところで思考停止してしまっているということです。全国に多くの蔵元さんたくさんありますが、どこの蔵元も実に個性的でそれぞれその蔵元特有の色があります。
確かに有名銘柄には相応の実力ある蔵元ばかりですが、無名でも技術力があり少しでも良い酒を造ろうという思いで酒を醸している蔵元もたくさんあります。本来ただ単に無名というだけで有名銘柄に比べて美味しいと思われない状況は公平性を欠くのでなんとかならないのかとつねづね思っています。
ただ、情報も美味しさの一部であるという考えからすれば、良いものなのに市場評価されないのであれば、美味しく飲んでもらえるための情報発信を怠ってきた蔵元や酒屋に責任があります。
美味しさには理由があります。しかし、その理由の説明無しでは飲み手は美味しさを探し出すことはできません。
いくら美味しい酒を造っても飲み手に美味しく飲んでもらわなければ意味がありません。美味しい酒を造り、飲み手に美味しく飲んでもらうことろまでが、美味しさを追求することの本質ではないでしょうか?